日本では日本臨床腫瘍学会が発表した臨床腫瘍専門医を教育する暫定的な指導医(抗がん剤の治療経験が十年以 上)は全国で442名です。米国では米国臨床腫瘍学会に約8,500人の腫瘍専門医(腫瘍内科医)が集まります。日本の人口から換算すると、米国の半分 4250人は必要となりますが、日本の現状では必要な腫瘍専門医(腫瘍内科医)の1/10にすぎないのです。
日本の腫瘍専門医(腫瘍内科医)がいかに不足しているか、おわかりいただけると思います。腫瘍専門医(腫瘍内科医)があまりにも少ない為、きちんとした抗がん剤治療が受けられず、全国各地のがん拠点病院ですら腫瘍専門医(腫瘍内科医)がいないのが現状です。
又、術後に抗がん剤治療の重要性に気付き病院を変えようとしても受け入れてくれる 病院はほとんどありません。なぜなら、この抗がん剤治療に使う薬代がそのまま製薬会社に流れるだけで病院の収入にならず、抗がん剤治療が手術のアフター サービスのようなものになっています。こういった日本の現状をなんとか変えていかなければなりません。
腫瘍専門医(腫瘍内科医)を増やす為に、抗がん剤治療の専門家を育てようと昨年 「日本臨床腫瘍学会」が発足、臨床腫瘍医(腫瘍内科医)を専門医として認定する事にしました。2006年認定開始に向け暫定指導医や研究施設の設備が進め られます。地域間の医療格差をなくすため、高知がん患者会「一喜会」として、抗がん剤治療専門医(腫瘍内科医)早期育成を求める陳情書を高知県議会に対し 陳情書を提出しました。
その結果、17年2月県議会定例会において、抗がん剤治療専門医の早期育成を求める意見書が全会一致で可決されました。