去る11月22日(日)午後、瀬良信勝先生の「ケアの質感」と題した講義を拝聴しました。瀬良先生は、千葉県鴨川市の亀田総合病院緩和ケア室でチャプレンをされています。高知県のスピリチュアルケア養成講座の講師としてお世話になった経緯があります。
私達は、患者さまやご家族の話を聞かせて頂くのですが、ただ聴く事(語って頂く事)によって自分自身で気づく方もおられます。しかしスピリチュアルクライシス(人生の試練)の真っただ中で絶望の淵に立たされ、残された時間も限られた時、その方が輝き続けるものが有る事を共に確認する作業が大切な援助と言われました。
療養中に技術的な技法により解決可能な場合(doing care)、痛み等の苦痛の解決には力関係は医療者側に重きが偏り、患者様は受身の立場にあります。
一方、技術技法により解決できない場合(being care)その関係性は患者・医療者は対等になります。その関係のなかで起こる力動に気づく感性が求められます。
提供された事例で、瀬良先生は、その方の言葉に囚われず、その方自身に焦点をあてて関わっておられました。ともすれば語られる苦しみの内容にのみ焦点を置きがちな普段の自分に気づきました。
患者さんやご家族も参加された研修会でしたが、皆さんはどのように受け止められたでしょうか?
次回のスピリチュアルケアフォローアップ研修は1月27日(日)、勝又範之先生の講義です。どなたでも参加できますので、ご希望の方は相談センターまでご連絡下さい. 塩見