月命日に
44年前、あなたと初めて来たこの山道は何回も切り直さないと通れない道だった。
舗装もほとんどされていない、車の底をすりながら上がっていった。
今は少し広がって簡易ではあるが舗装もされている。今日は一人で登ってゆく、あなたに会うために。
雨に濡れた山道は苔が緑色に輝き、風が優しく包んでくれる、この道をあと何回通ってこれるのだろう。
ここに来ると気持ちが穏やかになる、尖った気持ちも荒れた心もほんわか柔らかくなる。
いつの日かここの土に還った時、一人で過ごした日々をあなたに伝えたい。手を合わせあなたに感謝、
今日もあなたに見守られた一日でした。優しくなった心を抱いて山を下りる。